これはNG!一流は調べて”三流コンサルタント”は調べないこと
コンサルティングを開始するとき、あなたは最初に何をしますか?
意識の高いあなたであれば、最初にすることとして「顧客(クライアント)の話を聴くこと」と思ったかもしれません。
ですが…残念!違います。これは、三流とは言いませんが、一流以外のコンサルタントが最初にすることです。
なぜなら、「顧客(クライアント)の話を聴くこと」の前に、”絶対に忘れてはいけないこと”があるからです。
でも、コンサルティングに限らず、他のことでも「顧客(クライアント)の話を聴くこと」が鉄則とも言われているので、そう言われても腑に落ちないかもしれませんよね。
しかし、実際は”絶対に忘れてはいけないこと”をやらないと、「顧客(クライアント)の話を聴くこと」は成立しないものです。
言わば、これは「聴く」ための”必須条件”と言えるでしょう。今回は、その”必須条件”をお伝えしていきます。
もし、あなたが、すでにコンサルタントとして活動しているなら、こんな言葉をよく耳にしませんか?
もし、あなたが、コンサルタントとして活動していなくても、周囲からこんな言葉をよく耳にしませんか?
目次
ウチの業界は特殊だから…
「ウチの業界は特殊だから…」この言葉、私はもう何度聞いたか分からないほど聞いています。それと比例して「この業界は特殊なので、分からないと思いますが…」という言葉も、何度と分からないほど聞いています。
「ウチの業界は特殊だから…」「独特だから…」「他業界の人には…」と、コンサルティングなどの仕事をしていると、このような言葉のオンパレードでしょう。
そして、これらの言葉を聞く度に、私はこう思います。
「いや~、そんな特殊ではないのだけどな…他と変わらないよ…」
複数の業界を渡り歩いている人は、きっと私と同じように感じるのではないでしょうか。コンサルタントとして活躍しているあなたも、複数の業界を見ているので、そう感じるでしょう。
でも、この「ウチの業界は特殊だから…」は、顧客や見込み客の「固定概念=常識」であるのは、ここからも分かるでしょう。
もう少し深く言えば「ウチの業界は特殊だから、”あなたには理解できないよ”」という「反論」の意味が、ここにあるのでしょう。
ということは、ここで考えられるのは…
コンサルタント→信用されていない→よそ者→敵
「コンサルタント→信用されていない→よそ者→敵」という流れが、相手にできていてもおかしくありません。
その段階は様々ですが、少なくとも「あの人は、ウチの業界を知らないのに、何ができるのだろう」ということからスタートでしょう。
もちろん、これが当てはまらないケースもあります。例えば、弁護士などの法律の専門家は、国家資格という武器があるので、そうなるケースは少ないかでしょう。
むしろ、顧客は「弁護士に分かるように、こちらの状況を説明しなければならない」と考え、いかに自分たちの業界が特殊かを熱弁するでしょう。
それに対して、コンサルタントが相手になると「ウチの業界が、どれほど特殊か知らないだろ」というスタンスから始まります。
端的に言えば”敵”です。私たちは”敵”から関係がスタートすることを忘れてはいけません。
ただ、このような話をすると「私の直接の窓口は決済者の代表だから関係ない」という反論があるかもしれませんよね。敵からスタートではなく「信頼されている」とおっしゃる方もいるでしょう。
でも、ここで私はあなたに思い返していただきたいことがあります。それが…
どうやって、顧客はあなたを信頼したか?
その顧客は、あなたのことをどうやって信頼したのでしょうか?一部の人は、コンサルタントを「情報提供者」と勘違いしているので、「情報量が多かった」という回答もありそうですが、私はそれを全否定します。
では、どうやって顧客はあなたを信頼したかと言うと、それはきっとあなたが「相手のこと、相手の業界をよく理解している」からでしょう。
実は、ここが「一流コンサルタント」と「三流コンサルタント」の違いです。
三流コンサルタントは、見込み客や、顧客に対して「いかに自分の知識量はすごいか」と、知っていることの多さをアピールします。
それに対して、一流コンサルタントは、本質的な知見がありつつも、顧客の「人物像」「企業」「業界」を徹底的に調べます。
相手からすると「自分より、この会社や業界を知っているのでは?」と思われてしまうような状態です。その情報をもとに「相手の話を聴く」ことを開始しています。
だから、会話をしていても、話がスムーズです。より具体的な話に、どんどん進みます。
反対に、三流コンサルタントは話が詰まります。もしくは、円滑に見えるかもしれませんが、話を聴かれる相手はイライラしているでしょう。
なぜなら、相手はこう思っているからです。
事前に調べてこいよ!
言葉が丁寧ではないかもしれませんが「事前に調べてこいよ!」、これが話を聴かれる相手の気持ちです。
恐らく、上の例で挙げた弁護士などを除けば、ギリギリ成立するのは「金融機関」でしょう。「お金を貸す」側なので、相手のことを知らなくても、なんとか成立すると思います。
しかし、最近は金融機関の立場も変わってきたので、そうとも言っていられないかもしれません。
だから、ごく一部の専門家を除けば、ほとんどの人は「事前に調べてこいよ!」と思われかねないのです。
三流コンサルタントは、事前に調べれば分かることを、とにかく相手に聞きます。今の時代、インターネットで検索すれば、ある程度の情報は取れます。しかも、手軽で素早く。
それにも関わらず、三流コンサルタントは、いざコンサルティングを開始してから、顧客に聞きます。
本人は「聴いている」つもりかもしれませんが、相手からすると「事前に調べれば分かる質問ばかりして来る人」という印象です。
そうなると、同じ1時間の話でも、一流コンサルタントと、三流コンサルタントの取れる情報の濃度は変わります。
ということは、もうコンサルティングの成果は全く違うことが、この時点で確定でしょう。
コンサルティングの勝負は開始前に決まっている
コンサルティングの勝負は開始前に決まっているというのは、言い過ぎかもしれませんが、結果への影響度のイメージとしては80%を占めるのではないでしょうか。
ちなみに、大手コンサルティングファームのように、次から次に案件が来るところは別の話ですが、仕事の獲得に動かないといけないコンサルタントは、営業活動の時点で「80%の調査を完了」させているものです。
だから、営業活動の時点で、「敵→信頼できる人」に変貌し、コンサルティング開始時から、円滑にスタートできるのです。
反対に、三流コンサルタントは、営業活動の時点では「自分のPR」ばかりをして、相手の業界を調べるのは、コンサルティングを開始してからになちがちです。
こうやって並べるとわかりやすいですが、どちらのコンサルタントが選ばれ、どちらのコンサルタントの契約が長くなるかは一目瞭然でしょう。
このように、コンサルティングの勝負は、開始前に決まっているのです。
ちなみに、私の尊敬するコンサルタントである冨山和彦氏は、著書の中でこう述べていました。
コンサルタントになって良かったことは…
コンサルタントになって良かったことは「短期間で顧客の業界を知る方法を学べたこと」だと、冨山和彦氏は述べていました。
また、その続きとして「コンサルティングをするに、業界の情報を相手と同じくらい持っていないと話にならない」という主旨のことを述べていました。
私は、20代のとき冨山和彦氏から少人数で2度お話を直接伺うことがあり、その影響で冨山和彦氏の著書には目を通していました。
ただ、そのときはこの話はなく、書籍で後ほど知りました。20代半ばであった私は「確かに、そうだ!」と思い、このときから「営業先の企業だけでなく、業界も徹底的に調べる」ことを癖づけています。
そして、話を聴く相手の「業界の常識・ビジネスモデル・業界の置かれた環境」など、そういった情報を頭に入れながら、話を進めていくようにしました。
その結果、営業先や、今であれば顧問先から言われるようになったのが…
なぜ、この業界の人ではないのに、そんなこと知っているの?
「なぜ、この業界の人ではないのに、そんなこと知っているの?」という言葉でした。この言葉が出てきたら、信頼関係が成立したと言っても過言ではありません。
この状態で話を進めると、事前に調べれば分かることを、いちいち質問するコンサルタントとは雲泥の差になります。
上でもお伝えした通り、本人たちは「自分たちは特殊」だと思い込んでいます。そこを無理に「特殊ではないですよ」と伝えても、相手の常識なのですから、変えることはほぼ難しいでしょう。
だからこそ、「自分たちは特殊」と思い込んでいる中身を徹底的に調べるのです。
そうすることで、あいては「あの人は、特殊な私たちをよく理解してくれている」となり、その後が円滑に進むのです。
ちなみに、私は全く知らない業界の案件があった場合、事前調査なしで営業活動やコンサルティングをするには、怖くてできません。
インターネットや本を活用して、調べられるところまで調べていきます。もし、相手の企業が上場企業であれば有価証券報告書に目を通して、細部まで調べていきます。
そうでないと、相手の時間を無駄に奪うことになり、信頼獲得どころの話ではなくなり、もう「話を聴く」ことは不可能になってしまうからです。
だから、私は事前調査なしで進めることは、恐ろしくてできません。
「なぜ、この業界の人ではないのに、そんなこと知っているの?」と言っていただけることを基準に調べてれば、それほど外すことはありません。
もし、あなたがすでに行っているなら継続し、もし、まだ行っていないなら、今すぐ始めるのが良いでしょう。
一流コンサルタントは調べるのに、三流コンサルタントは調べないこと、それは見込み客・顧客の「業界のこと/企業のこと」でした。
この事前調査があるから「話を聴く」が成立する。反対に、これがなければ成立しないという前提条件ですので、忘れずに実践してみてはいかがでしょうか。
▼ポイント▼
このような方法を使うことで、コンサルタント個人事業主が難しいと感じる「安定的な売上獲得」「業務に対する対価(報酬)の向上」や「安定した収入」を実現していくことができます。
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